2012年4月7日(土)山本精一 & THE PLAYGROUND@得三

山本精一 & THE PLAYGROUND

1. Mothlight
2. 水
3. 虚空の屋根
4. 飛ぶひと
5. 眼がさめる前に
6. そら
7. 待ち合わせ
8. まさおの夢
9. 空の名前(ya-to-i)
10. DISCORD
11. BE
12. ラプソディア
13. ハルモニア


Encore
14. Candy Says(Velvet Underground
15. O Caroline(Matching Mole)


Double Encore
16. カラーズ(羅針盤
17. せいか(羅針盤
18. ふたつの木のうた(山本精一ソロで)


開演前にライブ中トイレ禁止と禁煙のアナウンス。開演時間少し過ぎてから30分の遅れが告げられ、再度、念を押されるようにトイレ禁止と禁煙のアナウンス。名古屋ってトイレのイメージあるのかなとちょっとへこむ。
いつも以上に重たい空気のライブだった。ひとつのMCもなかった。ただでさえ押さえられていた照明がどんどん暗くなっていくような気がした。なにも見えなかった。ただいつもより山本さんの存在感が希薄に感じられたのと、いつも以上にしなやかで張りのある千住さんのドラムが耳に残っている。須原さんのベースは少し物悲しく聴こえた。「まさおの夢」で突然、眼のさめるようなかっちりとした歌。どうしたんだろう?びっくりした。「空の名前」の時、後ろの方でなにやら大声でしゃべっているのが聞こえてくる。トイレもタバコも禁止されているようなライブで、まだモラルのことを考えられない奴がいる。なんでよりによってこんな曲で…。悲しい。いや、怒れてしょうがなかった。日常生活でだってノイズばかりの毎日。今日はいつも以上にいろんなことが気になる。その後に演奏された「DISCORD」の破壊力がすさまじくて、少し救われた気がする。「BE」と「ラプソディア」はわざと調子をはずしたような不思議なアンサンブル。またも意識にノイズが混じって、気づくと本編は終わっていた。頭の中をぐるぐるとなにかが回る。渦巻く。
始まってからずっとどんなライブかわからなかったけど、「空の名前」のあたりでこれは二部制はないなと思っていた。一気に終わらせるつもりだろうということはなんとなくわかった。勝手なわがままかもしれないけど、せめてアンコールをという気持ちで手を叩く。呼び込みから演奏まで、アンコールも淡々と進む。カバー曲を二曲。どちらもすごくいい曲。でも気持ちは乗り切らなかった。英語が少し白々しく聴こえた。気持ちの問題だと思う。もはや半ば無意識に二回目のアンコールを求めた。客電は点いていたけど、山本さんは来てくれた。千住さんはいちいちさわやかだなと思う。「遅れたお詫びに少しやりましょう」「名古屋ではあまりやらない曲なんで」今日、初めて山本さんの声を聞いた気がする。「カラーズ」。羅針盤。初めて聴く羅針盤。正直「カラーズ」はそこまで好きな曲じゃない。思ったほどの大きな感動はなかったけど、それでもやはりじわじわと沁みこんでくる。おそらく羅針盤の一番のファンであろう須原さんの方ばかり見てしまう。顔を見ながら聴く須原さんのコーラスは胸に迫るものがあった。千住さんのドラムはハンマービートみたいで、曲が終わった後もしばらくの間鳴り響く。不思議な余韻。「もう少しマイクにリヴァーブをください」という山本さんの一言にハッとした。余韻は予感に変わる。初めて聴くメロディだった。「まちがえた(笑)」と中断してしまったけど、あのメロディはなんだったのだろう。ひどくなつかしいものだった気もする。そんな風に思ったのも束の間。「せいか」だ。ウソみたいだけど、始まったのは「せいか」だった。羅針盤の曲だから、というだけじゃない。ずっとこの歌を聴きたかった。「せいか」は雨のイメージだ。心の中ではずっと雨が降っていた。涙が止まらなかった。


「ふたつの木のうた」は、絶対に独りでやる。


会場で『ラプソディア』の手書き歌詞カードをもらった。「いつものうた」はめったに歌われない曲だけど、この歌詞カードにも「いつものうた」の文字はなかった。このライブでもこの前のライブでも「いつものうた」は歌われてない。今は、「いつものうた」がすごく聴きたい。