由美香の週末

先週末は両日ともシネマテークへ。土曜日は『由美香』、日曜日は『白 THE WHITE』を観てきました。『監督失格』を観る前に、本当は「自転車三部作」全部観ておきたかったけど、『流れ者図鑑』は名古屋では上映がないので仕方ない。とりあえず内容だけでも頭に入れておくことにする。そもそも“由美香”については松江哲明監督の『あんにょん由美香』以降の、所詮にわか興味であるので、自転車三部作の当事は林由美香の存在すら知りません。そんな俺が今、こうまでも“由美香”に執着しているのはなぜなんだろう。たしかに『あんにょん由美香』はおもしろい作品ではあったけど、そこまでグッときたわけでもない。林由美香をかわいいとも思わなければエロも感じない。本当になんでなんだろう。もしかしたら林由美香本人ではなく、“由美香”を取り巻く得体の知れないなにかに惹きつけられてるからなのかもしれない。
本当はこの勢いで月曜日に『監督失格』を観る予定だったのけど、今は少し足踏みをしている。『白 THE WHITE』の終盤からラストにかけての凄絶なまでの、あの白い雪と雑音しかない世界。真冬の北海道という熾烈な環境の中を一人行く、平野勝之監督。あそこあったのはやはり、あの得体の知れないなにかの断片なのではないだろうか。そして真っ白な世界の中で、礼文島の北端に立てられた赤い旗。今も意識が半分、あの赤い旗の袂にある気がします。上映が終わって、真っ白くなったスクリーンが脳裏に焼きついて離れないんです。だから少しでもあのスクリーンから意識を取り戻すために、今は足踏みをしている。
金曜日に、『監督失格』を観ます。帰ってこれるかな。